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研究室・教職員の紹介

分子アーキテクチャー研究室

【分子アーキテクチャー研究室】 横澤 勉 教授
研究のキーワード: 有機化学   高分子化学   超分子化学 

生物と同じように人工高分子を作り機能させる

教員からのメッセージ

私の研究室では有機化学の理論をもとに、これまでの高分子化学の常識を変えるような新しい高分子合成法の研究を行っています。また合成の対象を高分子化合物にすることで、通常の低分子化合物の反応では見られない新たな有機化学反応を発見することもあります。最近は合成した高分子の機能を解明したり、新しい骨格や機能を持つ高分子の合成を試みています。

学生からのメッセージ

3年生までに授業で習ったことを総動員して研究をしています。実験を通して理論を体験できるので「なるほど」と思うことが多いです。研究は思い通りにいかないことが多くて苦労しますが、自分の思い通りの結果が得られたときには満足感と達成感が得られます。
研究室にいると「世界」が身近に感じられます。その分、海外の競争相手には負けられないというプレッシャーもありますが…。

研究例

生物の方法に有機化学で挑戦!

 
生物が作る高分子は、酵素の働きによってモノマーが高分子の末端に順序どおりに反応して合成されています。その仕組みは大変複雑で全く同じことを人工的に行うことは出来ません。しかし有機化学の基本原理を応用してモノマーや触媒をうまく設計することにより、生体内のようにモノマーが高分子の末端だけを認識しながら進行する新しい重合反応の開発に成功しました。
 

金属触媒を用いた連鎖重合:「触媒移動型連鎖縮合重合」


 
例えば、金属触媒を用いた重合では、金属触媒が高分子末端へと移動しながらモノマーと高分子末端の反応を促進させる重合法を見出しました。この重合法の発見により異なるπ共役系高分子をつなげた新しい高分子などが合成できるようになり、太陽電池、有機トランジスター、有機EL へ応用する研究が世界中で盛んに行われています。