バイオミメティック錯体機能化学研究室
【バイオミメティック錯体機能化学研究室】 引地 史郎教授
研究のキーワード: 錯体化学 生物無機化学 触媒化学
人工酵素への挑戦-生体内における金属イオンの働きを手本にした機能性物質の開発
教員からのメッセージ
生物の活動は体内での様々な化学反応によって支えられています。生体内での化学反応も、試験管内での反応と本質的に同じですが、試験管内では起こりにくい反応でも生体内にはそれを簡単に進行させてしまう仕組みが備わっています。私たちの生活をより豊かにしていくためには、この仕組みを解き明かし、それを利用して様々な物質を作り出す技術へと応用発展させていくことが必要です。
学生からのメッセージ
3年間学んだ知識を生かし、研究を進めています。先生がとても親身に一から錯体化学について教えてくれ、その上説明が上手なので研究のことがより理解できます。先生と何時もディスカッションを交え研究を進めています。研究以外にも飲み会や合宿や野球大会などのイベントもあり、文武両道の学生生活を楽しむことが出来ます。
研究例
人工酵素を目指して-機能性金属錯体の開発
生体内では酵素(天然酵素)に含まれる金属イオンの働きにより様々な化学反応が進行します。そこで私たちは酵素中での金属イオンの環境を参考にして、同様な構造をもつ化合物( これを金属錯体と呼びます) を精密にデザインし、酵素と同様な機能を持つ金属錯体触媒、つまり“ 人工酵素” を作り上げることを目指しています。
金属錯体による酵素反応の再現
ある酵素は、炭化水素に酸素を反応させて選択的にアルコールを作る反応を進行させますが、同じ反応を人工的に100%の効率で進行させることはきわめて困難です。私たちが開発したアルコール生成反応を進行させる金属錯体は、酵素反応の仕組みを解明することに役立っています。現在これらの結果を発展させた触媒の設計・開発を行っています。